映画は人助けをしない

最新映画について書くことはあまりありません。基本的に古い映画について書いています。内容は古さを感じないものにしたいです。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

自意識を持て余した女子高生を描いたコメディ『わたしはアーティスト』(籔下雷太監督)と『リンダリンダリンダ』

映画は誰かに観てもらうために作られる。商業映画にしろ芸術映画にしろ私映画にしろ、誰にも見られないことを目的に作られる映画は極めて稀だ。映画は第三者を考慮しなければ成立しない芸術といえるかもしれない。 『わたしはアーティスト』という映画がある…

新興宗教に取り憑かれた男と必至で取り戻そうとする女の純愛映画『ある朝スウプは』(2003)

※ネタバレあり 『ある朝スウプは』という映画がある。監督は『凶悪』の共同脚本を務めた高橋泉。 ぴあフィルムフェスティバルアワード2004入選作品。登場人物わずか4人の小規模なインディペンデント映画だ。 PFFアワード2004入選作品 映画『ある朝スウプは』…

新宿武蔵野館で中田秀夫監督作『ホワイトリリー』を観ました

2016年12月に始動した日活ロマンポルノのリブートプロジェクト。 先駆けの一作『ジムノペディに乱れる』(行定勲監督)は大傑作だったと思う。必至の現実逃避を続けるもついに避けられない現実に直面してしまった(パンドラの箱を開いた)板尾創路の恐怖に怯…

フリッツ・ラングはクソ野郎だ!「スカーレット・ストリート」

フランスの巨匠ジャン・ルノワールの傑作『牝犬』(1931)。 冴えない銀行員が偶然知り合った若い女性に熱を上げ、現実逃避の末に破綻する姿を描いた映画だ。 この映画の魅力は、なんだか憎めない登場人物と監督の「人間ってダメだけどそこがいいよね」と言っ…